昼想夜夢~Misty’s blog~

ネットの時代にテレビ勤め、ジャーナリズムにはまだほど遠い。学術の落ちこぼれだが、たまに考えたことを言いたくなる。/一介电视人,尚未攀上记者之名。心向学术而力不足。偶有三言两语。

ポリコレのハリウッド

 ネットフリックスで新しいファッション番組を見始めた。「ネックスト・イン・ファッション」。

 以前はシリーズ化されていた「プロジェクト・ランウェイ」を大好きで観たが、今回は似ているようで全く違う。試合のルールは似ている、MCは男女二人のペア、ランウェイのあとの結果宣告も同じ形式。

 しかし参加者とその描写は違う。今回の番組は明らかにあらゆる人種と背景をバランス良く配置した。そしてその生まれ育ちとLGBTであるゆえの葛藤を感傷的に描いている。ファッションでその背景をいかに生かされているのかも評価の大きなポイント。たとえばゲイのデザイナーがレインボー色を大胆に使った服がメッセージ性で大きく評価された。東アジアの女性二人組のデザインがランウェイでピンと来ないと言われたが、文化的な背景を紹介したところ、「ストーリー性がある」と高評価を得ることができた。

 そして、象徴的なのは、脱落ギリギリの黒人女性コンビが泣き出し、ファッション業界で黒人がキャリアを築くことの難しさと文化の盗用問題を訴えた。審判の一人である黒人デザイナーもそれに同調し、その結果、まさかの脱落なしの回になった。

 うん…私は自分で全然おしゃれしない人だけれど、なぜかファッションの番組が大好きだ。それは純粋にファッションの美しさを見惚れていたいから。しかし、いまはやはり背後のメッセージ性、そしてポリティカル・コレクトネスを大きく考慮しないといけなくなったのか。

 ネットフリックスでポリコレを見るのは、このシリーズだけではない。そしてハリウッドでポリコレの重さを感じるのも、ネットフリックスだけではない。

 なんだかとても窮屈な時代だ。純粋な美を楽しみたい、そう思っていた。

 

2月18日 シリーズ1を視聴終了。しかし、すごいですね、参加者の仲良さにびっくり。いままでのリアリティショーは、人間関係の悪さが売りの一つでしたが、なんという心温まる作品でしょう。争いたくない、というのもとても今風ですが。