泣き虫だった私
幼稚園からの幼馴染に子どもが生まれた。その幼馴染から連絡があって、子どもが私の写真を指して「おばちゃん!」と呼んでくれたのだが、横にいた幼馴染の父親が「このおばちゃんはね、幼稚園のときにま~いにち泣いていたよ」と暴露したらしい。
おいおい、ちょっとおじさん、暴露は良くないぞ!
と言いながらも、確かに私はひどい泣き虫だった。毎日幼稚園に行くのが嫌で、毎朝登園の道のりでも泣いて、着いて親から先生に引き渡されても泣いて、昼ごはん食べながらも泣いて、お昼寝もせずおばあちゃんがまだ来ないかと泣いて(寝る時間が与えられているのに寝ないなんてなんと愚か!)…とにかく泣いてばかりだった。
両親にとってはさぞ面倒くさかったでしょう。小学校低学年のときも何かあればすぐ泣いていたから、しょっちゅうお父さんに「泣かないで!」と叱られていた。そう言われるたびに唇を噛んでうつ向いて我慢していたが、ますます泣きたくなるんだよな。
そんな泣き虫の私が、小学校4年生でピタッと自分のために泣かなくなった。隣の席の男の子にちょっかい出されて、いつも泣くことしか知らなかった私だったが、あの日なぜか怒って思いっきりその子を殴りかかって大喧嘩した。その日から、(まったくとは言わないが)泣かなくなった。
いまの私というと、テレビや映画を見るとすぐうるうるしちゃうけれど、自分のことで泣くのはやはりそこまで多くない。
嫌な先輩にいじめられて会社のトイレで泣いてしまったのはあまり人に言えないが。